犬災害

ここ数年、災害時に囁かれているのが「ペット同行避難」という言葉。
しかし、実際にこの言葉を正しく理解している人は少なく、まだまだ同行避難という言葉自体を知らない人が過半数でしょう。
皆さんは同行避難という言葉知っていたでしょうか?

「同行避難」と「同伴避難」の違い

ペット一緒に避難するという認識は、「同行避難」も「同伴避難」も同じです。
しかし、避難所での過ごし方に違いがあります。

■同伴避難とは
避難所へ避難した後の生活も同じ部屋(スペース)で過ごすことができます。

■同行避難とは
避難所まではペットと一緒ですが、その後の避難生活は別々になります*。
これは、動物が苦手な人やアレルギーのある人などに配慮しなければならないことが大きな理由です。 * 避難所によって対応は異なります。

実際、環境省が飼い主や地方自治体へ推進しているのは「同行避難」です。
一緒の避難生活スペースにいられるか、というのは避難所によって異なりますので、事前に確認する他、事前準備できることを取り組みましょう。

きっかけは東日本大震災

ペットとの同行避難が意識付けられたのは、2011年に起きた東日本大震災のあと。
一時避難のつもりが、放射線物質の影響で周辺地域は立入禁止となり、多くのペットたちが取り残されました。
家を失い、家族を失い、大切なペットも危険な場所にひとり残してきてしまった……。と悲しみに打ちひしがれる被災者。
同時に、残された場所で必死に生き、飼い主の帰りを待っている多くのペットもいました。
そんなペットたちを救うべく、全国の獣医師や動物保護団体、ボランティアらがいち早く現場に行き、餌を撒いたり、保護を行い飼い主を探したりしていました。<br/>

ペットも家族だから

悲惨な状況でも、守るべきもの、支えてくれるペットがいるだけで人は強く要られるものです。ペットたちもまた、大好きな家族と一緒にいられればそれで幸せなのではないでしょうか。

実際、同行避難が推進された理由は、これだけではないでしょう。
被災地に残されたペットにボランティアが餌を撒くことで「家の中にも糞尿があり迷惑した」といった声も聞いたことがあります。
他には、「ペットが避難できないなら、避難所へは行かない」といった人もいます。

そういった意見や、人命優先の考えからも、ペットも一緒に避難してもらう方が良いと判断したように感じます。